第205章 裁判所の召喚状

焦点の定まらない瞳が、音のする方向へと向けられる。眉が微かに、気づかれぬほどわずかに寄せられた。

また、近藤蒼大か。

彼女の記憶が確かなら、プロジェクトの総括といった核心的な資料は、いつも部長が直接やり取りすることになっていたはずだ。インターンごときが使い走りで持ってくるようなものではない。

「この資料ですが」

福田祐衣の声は凪いだ水面のように静かで、感情の色は読み取れない。だがそこには、形なき威圧感が漂っていた。

「本来なら、吉永部長が持ってこられるはずではありませんか?」

近藤蒼大の顔に張り付いていた笑みが一瞬強張り、すぐにまた自然な表情へと戻った。

彼は二歩ほど進み出ると...

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